ツイッター上で火がついた「#検察庁法改正案に抗議します」運動。政府が審議を進めていた法案に反対する投稿やリツイートは、関連するハッシュタグをあわせて1000万件以上にのぼったとされる。世論が沸騰するなか、政府は今国会での同法案成立を見送り、再び秋に予定される臨時国会で議論されることになった。
波紋を広げたのは、国家公務員の定年を65歳に延長する国家公務員法改正と合わせて「束ね法案」として議論されていた検察庁法改正案。これは(すでに定年が65歳となっている検事総長を除く)検察官の定年を63歳から65歳に引き上げるとともに、検事長・次長検事といったポストは63歳で「役職定年」となることを定めた上で、必要と認められればその定年を超えてもポストにとどまることができるようにするものだった。
法案見送りに先立つ5月15〜17日、NEWSポストセブンでは【検察庁法改正案、あなたは容認できますか?】と題する緊急アンケートを行った。男女1353人(男女比はおよそ7対3)から回答を得た結果、「容認できる」と答えた人は13.8%(187人)にとどまり、「容認できない」と答えた人は86.2%(1166人)と9割近くに上った。
圧倒的多数が「容認できない」とした理由はさまざまだが、特に目立つのは「三権分立が保てなくなるから」という意見だ。
「権力からの高い独立性が堅持されるべき検察庁の人事に、内閣の一存で特定の人物だけを役職付きで定年延長できることは、三権分立を壊す」(48歳男性)
「三権分立を子供にどう説明したらいいのかわからない。逆に子供にどう説明したらいいのか教えてほしい」(51歳女性)
安倍晋三首相は5月14日の会見で「今回の改正により、三権分立が侵害されることはもちろんないし、恣意的な人事が行われることはないことは断言したい」と述べていた。この首相発言についても批判が寄せられた。
「検察への恣意的な人事介入するかしないかではなく、できるかできないか。今回の件はあからさまに、できるのほう」(27歳女性)
「『恣意的な人事をしない』と首相は言うが、『恣意的な人事ができる』ようになることが問題だ。為政者の心持ちの問題ではない」(38歳男性)
「仮に恣意的な人事をしないとしても、その権利を持っているだけで圧力になる。安倍さんは『国民に丁寧に説明する』ってよく言うけど、今まで納得できるような『説明』をしてもらった記憶は全くない」(50歳女性)