芸能

志村けんさんと沢田研二 代役決定の裏にあった50年の絆物語

「志村さんを尊敬している」という沢田(写真は5月中旬)

 松竹映画100周年記念作品『キネマの神様』(2021年公開予定)は、当初、志村けんさん(享年70)と菅田将暉(27才)のダブル主演で描かれる予定だった。しかし、志村さんが新型コロナウイルス感染症で亡くなったことで、一度はお蔵入りも懸念されたが、5月15日、志村さんと親交の深い歌手・沢田研二(71才)が代役を務めることが発表された。

 互いの才能を認め合うお笑い界と音楽界のレジェンド──。志村さんとジュリーこと沢田の関係は50年に及ぶ。

「2人は、約50年前に所属していた芸能事務所で先輩と後輩の関係でした。結成はドリフターズの方が古いけれど、志村さんが加入したのはタイガースが解散した後で、年齢もジュリーの方が1つ上の先輩です」(音楽業界関係者)

 2人の出会いは、志村さんがザ・ドリフターズに正式加入する前の1972年のこと。志村さんは当時「マックボンボン」というお笑いコンビを組んでいて、ソロデビュー後の沢田の前座を務めたこともあった。

 本格的な共演は1976年になってから。『8時だョ!全員集合』(TBS系)でのコント共演だ。これを機に沢田は、68回も『8時だョ!』に出演。同番組のゲスト出演において歴代3位の数字となる。この共演が2人の関係性を決定づける。

「驚きましたよ。台本チェックの厳しさやリハーサルの細かさで有名だったジュリーが、志村さんとのコントだけは、すべてお任せだったんです」とは、2人をよく知る芸能関係者。

「志村さんが決めてくれるから大丈夫、と信頼しきりでした。リハーサルをやらないし、アドリブもたくさんあって、とにかく“ライブ”を大事にする意識を2人ともが持っていました。ジャンルは違うけど、目の前のお客さんを喜ばせたい、という思いひとつで共鳴し合ったのでしょう。プロ同士、舞台上では激しくやり合っていましたね。

 一本気なジュリーは、志村さん以外のドリフのメンバーとは積極的にコントをしなかったし、同時期に人気だったクレージーキャッツともコントをしないほどの筋の通し方でしたからね」

 ルックスが似ていることを生かした合わせ鏡のコントや、小学生に圧倒的な人気を誇ったヒゲダンスにも真摯に取り組み、二枚目のアイドルは、魅力に厚みを増していった。

 その後、『8時だョ!』の放送が終わり、1990年代に入ると共演は途絶えるが、2001年から再び息の合ったコンビが復活する。4月にトーク番組『変なおじさんTV』(フジテレビ系)で十数年ぶりのそろい踏みを果たし、これを機に、頻繁に数々の番組で一緒になった。

「どれも、実はジュリーがラブコールを送ってのことばかりでした」(前出・芸能関係者)

 同年10月には『ふたりのビッグショー』(NHK)に出演。司会者不在、出演者2人だけで進行するこの音楽番組に、NHKはまず、沢田だけをキャスティングしたという。その沢田が相棒に選んだのが、志村さんだった。

沢田と買い物にでかけた妻・田中裕子(写真は5月中旬)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン