コロナ禍の中、ドラマの撮影が中断され、過去作品の再放送が多いなか、撮り下ろし作品として放送されたのが「2時間ドラマ」だ。注目を集めた作品、そして存在感を発揮した俳優たちについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
* * *
新型コロナウイルスの影響で、ドラマは再放送、バラエティは再編集、情報番組・ニュースなどはリモート出演が当たり前となった。よい選択だと思ったのは、日テレの『野ブタ。をプロデュース』とTBS『ノーサイド・ゲーム』、NHK『アシガール』の再放送。『野ブタ。』は15年前の作品で、当時は観られなかった若い世代が名作青春ドラマに触れる機会となったし、『ノーサイド~』はラグビーW杯を思い出しつつ、日曜に一杯やりたいおとな世代をガッチリつかみ、『アシガール』は伊藤健太郎の「若君」にドキドキした女性ファンを再びドキドキさせている。
とはいえ、テレビ全体に停滞感が漂っているのは事実だ。そんな中、底力を見せたのがスペシャルドラマや二時間ドラマである。
スペシャルドラマ、二時間ドラマは、放送予定のかなり前に収録されることが多い。固定ファンがついたシリーズものや有名作家原作ミステリーなど話題作も一話完結で楽しめるのも大きな強みだ。先日は名取裕子主演の『法医学教室の事件ファイル』新作が登場。いやいや、ここへきて二宮早紀(名取)のウエディングドレス姿を見るとは思いもよらなかったが、地に足の着いた力強さで視聴者をぐいぐいと引っ張っていった。
そして、今シーズン、ドラマでいい味を出し、他の番組でも存在感を示したのが、谷原章介と船越英一郎である。