芸能

民放初の定年退社女性アナ・宇野淑子氏、ジェンダーとの闘い

OGが「黎明期」と「現在地」を語る(写真/共同通信社)

 TBSはかつて「民放の雄」と呼ばれ、日テレやフジにくらべて報道重視だった。その影響で、1960年代から多くの女子アナを採用していた。その中でも、1964年に入社した宇野淑子さんは、民放キー局で初めて定年まで勤め上げた女子アナとして知られる。宇野さんが女子アナの立場の変化を振り返る。

 * * *
 私が就職した1960年代には、大学を卒業した女性を受け入れる民間の会社はほとんどなく、放送の世界でも限られた局の、しかもアナウンサー職しかありませんでした。その中にTBSがあったのです。

 TBSはラジオのドキュメンタリー『ゆがんだ青春全学連闘士のその後』を聴いたばかりで、憧れの局でした。左翼学生の全学連委員長が、実は右翼団体から資金を受け取っていたという衝撃の内容だったのです。入社試験の面談で「私も世の中の真実を見抜く仕事をしたい」と生意気を言って後悔しましたが、無事合格。懐の深さを感じました。

 入社後は報道で通用するアナウンサーになりたいと夢見ましたが、当時は男女の役割分担意識が強く、挫折感に囚われ、しばらくは辛い日々が続きました。

 1970年代に入ると、放送の世界に「タレント」と呼ばれる人たちが登場し、女性アナウンサーに試練が訪れます。当時の部長は“男性アナはニュースやスポーツ中継で必要だが、女性はいつでもタレントに替えられる”と言っていました。

 瞬く間に退職や異動で女性の先輩がいなくなり、さらにTBSは1969年から8年間、女性を採用していません。私も何度か肩をたたかれたのですが、救ってくれたのは3件の裁判でした。

関連記事

トピックス

“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
尹錫悦前大統領(左)の夫人・金建希氏に贈賄疑惑(時事通信フォト)
旧統一教会幹部が韓国前大統領夫人に“高級ダイヤ贈賄”疑惑 教会が推進するカンボジア事業への支援が目的か 注目される韓国政界と教会との蜜月
週刊ポスト
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン