今年2月からNetflixで配信され、空前のブームとなっている韓国ドラマ『愛の不時着』。ドラマは、韓国・ソウルの財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン・38才)がパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着し、そこで出会った北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン・37才)と恋に落ちる物語を描く。
『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)の著者でライターの西森路代さんはこう魅力を述べる。
「セリが38度線を越えて韓国に帰る前半のクライマックス。国境を前に『ここからは一歩も越えられない』と語るジョンヒョクに『じゃあね』と別れを告げ、セリが後ろ髪をひかれる思いで国境を越えて歩き出す。その瞬間、ジョンヒョクがさっと国境をまたいでセリの左手をつかみ、『一歩くらいはいいだろう』 とつぶやいて彼女を抱き締め、熱い口づけを交わすシーンとセリフにグッときました。
ジョンヒョクが国境から一歩踏み出してセリを抱擁することに大きな意味がある。単なるラブシーンではなく、韓国と北朝鮮がお互いに手を取り合って一歩を踏み出したいという未来を見据えたメッセージにも思えました」