放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、高田氏が地上最強だと思っているプロレスラーと、マスクをつけた覆面レスラーの強さについてお送りする。
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“オレたち団塊族”は、この世の最強はプロレスだと教わって生きてきた。コロナでいろんな事があるけれど、プロレスラーの方が強いと私なぞ未だに信じている。“プロレス地球上最強説”だ。
力道山の空手チョップはオルテガを、ブラッシーをもなぎ倒した。四苦八苦したのがザ・デストロイヤーだ。今の時代に先がけたかのようなマスクマン、訳して覆面男だ。力道山との初戦だというのにアナウンサーは「出た! 4の字固めだ」と絶叫した。
4の字? リングサイドからのカメラでは意味が分からない。ところがどっこい誰がどう指示を出したのか天井にカメラが設置してあるではないか。4の字とは勿論、算用数字の4である。私は頭の中に「四」を思い浮かべて……ン? 一体どうなってんだ? 血のにじんだマスク、ほどけない4の字……リキ・パレスの経営を考える力道山。いろんな思惑ががんじがらめになって、結局引き分け。その後、何回も死闘はくり広げられ、少年の私には覆面レスラーは怖いというイメージが植え込まれた。
長い間の功労に報いて日本テレビは『うわさのチャンネル!!』を用意する。そこには最強の歌手、和田アキ子が待ちうけていた。せんだみつおもいたような気もするが、今は何処にいるか分からない。