注目の大会だけに大勢のギャラリーに囲まれている黒川杯

 こうした混乱を事前に予想していた主催者により、黒川基準に基づき適法とされる「旧知の間柄」の少人数の面子を集めて行われていたが、続々と集まるギャラリーの警察官は、どんなことがあってもこれを継続させないという態度で卓を取り囲んだ。そこには小池百合子東京都知事らが提唱したソーシャルディススタンスはなく、麻雀を楽しもうとしていた参加者から「密です!」との抗議の声もあがっていた。

◆観戦マナーはどこへ行った

 ギャラリーの警察官の方々は最終的に30名以上が集まったために、本来ならば道路の隅で往来する歩行者(といっても休日の霞が関なので人は全く通らない)の邪魔にならないように行う予定だったのが、意図せざる路上の占有が起きてしまった。賭博罪は黒川基準で無罪となったが、道路占有はまた別の問題である。

 混乱のために、いつまでたっても東1局すらできない状態でもあり、このままだと勝敗がつかず、そのため賭博が成立しないと主催者は判断。検察庁に面した道路をはさんだ日比谷公園内で一番検察庁に近い「健康広場」に場所を移した。

 いつもより人は少ないにしても家族連れなどの姿もちらほらと見られる健康広場の片隅に場所を移動した黒川杯だが、どういうわけかギャラリーの警察官はさらに数を増やし、どうしても半荘を成立させたくないという強い意志を感じさせた。白熱の闘牌が始まろうとしたが、卓を取り囲む警察官によるテンションの方が上がり続け、圧力は増していった。「オレも面子にいれてくれ」ということなのかもしれない。観戦マナーの順守が求められる。

 東2局にリーチ1発ツモで和了した参加者は「配牌がよかったですね」とうれしいコメント。しかし、そこで予期せぬ事態が起きた。日比谷公園の管理事務所から、健康広場の閉園時間との通告だ。ここで残念ながら大会は終了。

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