国内

CMにYouTubeまで 小池都知事のあざといコロナ戦略

コロナに乗じて次々と仕掛けを繰り出す小池百合子都知事(写真/時事通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、ようやく「東京アラート」を発動した小池百合子東京都知事について。

 * * *
 発動されるだろうと思っていたのに、なかなか発動されなかった感染拡大警報「東京アラート」。アラートの発令とともに、赤く点灯し警戒を呼び掛けるとしていたレインボーブリッジの照明は、虹色にライトアップされたままの日が続いていたが、アラート発令に伴いようやく赤く光った。

 東京都が独自の基準を設けた東京アラートの発令基準は、直近1週間の平均で、(1)1日あたりの新規感染者が20人未満、(2)新規感染者に占める感染経路不明の割合が50%未満、(3)週単位の感染者増加比が1未満の3点だ。3つの基準うち、6月1日時点でクリアしていたのは1つだけ。ネット上では「なぜ発令されないのか」という疑問の声が相次いでいたが、2日になって、新たに34人の感染者が確認されたことを受け、ようやく東京アラートが発動された。

 緩和目安となる基準を1つでも越えた場合、「東京アラートがキンコンカンと鳴りますよ」。小池都知事は会見でそう述べていた。

 キンコンカンとはなんとも緊張感がない表現だ。学校の下校チャイムでもあるまいし、警戒警報らしくない。印象には残るが、聞いた瞬間「本当に出す気があるのか?」と思ったほどだ。

 思い返してみれば、小池都知事は、東京オリンピックが延期となり、新型コロナウイルスによって緊急事態宣言が発出されるかどうかという頃から、怒涛の勢いで存在感を強めている。それも主に自身の言動によってだ。

 3月25日の会見では、「ロックダウン」という言葉で都市封鎖を示唆し人々の不安や恐怖を煽り、安倍政権を慌てさせたと言われる。実際に東京都が都市封鎖されることはなかったが、人々に強い危機感を与えた。

 4月9日にも、コメントを求めて集まった報道陣に対し「密です。密です」と手を上げてソーシャルディスタンスを求める様子が報じられた。これがネット上で話題になり、ソーシャルディスタンスを守る『密ですゲーム』まで登場するなど、もはや社会現象となっている。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン