誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、ネット投票PATを駆使して、「WIN5」で連続的中に挑んだ顛末についてお届けする。
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日曜競馬のWIN5。遅ればせながら。即PATに加入したのを機に、せっかくなのでトライした。
こんなもの当たるはずがないとラチ外だった。コンピュータ任せの宝くじ的買い方もあり、思考放棄馬券だとバカにしていたのである。
当然、「完全セレクト」。5レースの1着馬を自分で決める。5連続的中は至難の業だが「困難は分割せよ」との金言どおり、1Rごとに勝ち切る馬を見定めればいい。対象レースは難解な上級クラス戦だから、それも大変なんだけど。
買い目は増える。肝はその絞り込みだ。
対象の1レース目(以下、【1】)で「この馬しかない!」となればいいけど、いきなり難しいこともある。最初に外してはまるで面白くないから、どうしても序盤に手厚くなってしまいそうだ。
ある日曜、試みに検討してみると、【1】と【2】に3頭、【3】は4頭、【4】と【5】は3頭となった。絞ったはずが324通り! 100円買いでも相当な投入額だ。
ネット購入は簡単。買い目が何通りなのかが明示される。「購入」しなければいいからシミュレーションできて面白い。必勝を期して5レースとも6頭買ったとすると7776通り! ほぼ的中しそうだけど、そうとも限らないところがコワイ。体力がなければ買い目を増やせない。「WIN5は金持ちの馬券」と言われる所以だろうか。