新型コロナウイルスの感染拡大で、今一度その重要性に注目が集まるエッセンシャルワーカー。医療従事者、配達員、役所職員、清掃員、スーパーの店員など、多くに人々が暮らしを守り、社会を支えるために、今日も働いている。
◆児童、患者のために涙を押し殺す
教師も大切なエッセンシャルワーカーだ。緊急事態宣言が解除された現在、各地で徐々に学校が再開され始めた。
「先週、体育館を使って保護者会をしました。Zoomを併用することで、保護者が自宅からでも出席できるようにしました」
そう語るのは、埼玉県内にある小学校で教師を務める30代女性。当初は3学年ずつの保護者会を開く予定だったが、開始30分前に別の教師が「これって密だよね」とつぶやいたという。
「そこで急遽、1学年ごとに保護者会を分けることにして、いすを並べ直しました。全学年分、6回の保護者会の間はそれぞれ15分間しかありません。その間にすべてのいすを教員が除菌しました。
3密を回避するために質疑応答をなくしましたが、想像していたとおり、終わってから“授業はどうなるんですか”“どうして行事をなくすのですか”などの問い合わせの電話が殺到。なかには“パソコンがおかしくてZoomが使えない!”と、私たちにはどうしようもない苦情までありました」(小学校教師・以下同)
自粛期間にオンライン授業を導入し、週に2~3日は在宅勤務となった。家での業務は楽だと思われがちだが、そんなことはない。
「定期的に課題を提出し、新しい課題は保護者か児童に学校まで取りに来てもらうので、1学年につき必ず1人の教員が学校に常駐します。オンライン授業のアカウントとパスワードが書かれた用紙は、担任が児童1人分ずつ封筒に入れて、保護者に手渡し。受け取りに来なかった家庭には電話して、改めて来校してもらう日を決めました」