スポーツ

安田記念に挑むアーモンドアイ、「夏に2度敗戦」は偶然か

アーモンドアイ(2019年の安田記念出走時のパドック)

 現役最強馬がGI最多勝利記録(8勝)をかけて登場するハイレベルな安田記念。競馬ライターの東田和美氏がレポートする。

 * * *
 安田記念にGⅠ馬として出走した馬は平成以降でのべ137頭(日本調教馬のみ)。本稿ではまず「G1馬」という勲章の、安田記念における“効能”について考察する。

 最も多いのがNHKマイルCの勝ち馬でのべ26頭だが、勝った馬はゼロ。シーキングザパール、イーグルカフェ、グランプリボスは安田記念にGⅠ2勝馬として出走しているが、やはり勝てなかった。

 皐月賞馬はのべ12頭の出走で、ダイワメジャーとロゴタイプが安田記念を勝っているが、前者もGⅠ実績が皐月賞だけだった2回は8着と4着で、天皇賞(秋)とマイルCSを連覇した翌年にやっと勝つことができた。ロゴタイプは皐月賞だけではなく朝日杯も勝っているGⅠ2勝馬。それも3年ぶりの勝利だった。

 その他桜花賞馬12頭をはじめ、ダービー、オークス、秋華賞や4歳(現3歳)限定だったエリザベス女王杯の覇者も出走しているが、いずれも3歳限定GⅠの勲章1つだけでは安田記念を勝てていない。

 では2歳馬限定の朝日杯FS組はというと、16頭の出走で2勝。1頭は前述のロゴタイプでGⅠ2勝馬。2着になったグラスワンダーとグランプリボスも他のGⅠを勝っていた。

 朝日杯組のもう1頭は異端児アドマイヤコジーン。1998年、2戦目で勝ち上がり、東京スポーツ杯、朝日杯と3連勝後するが骨折。復帰した2000年7月から1年間で1200mから2000mまでの重賞を中心に12戦走ったものの未勝利。ところが半年休んで2001年1月の東京新聞杯で2年ぶりに勝つと波に乗り、一気に安田記念まで勝ち取った。種牡馬としてもGⅠ馬を2頭出している。

 マイルCSの勝ち馬はのべ22頭が出走し、5勝2着2回とまずまず結果を出している。

 インディチャンプは昨年の安田記念から国内の古馬マイルGⅠを連勝しており、3連覇がかかっている。過去にこの偉業を成し遂げているのはニホンピロウィナー、タイキシャトル、ダイワメジャーの3頭だが、すべてマイルCS→安田記念→マイルCSという順番。

 マイルCSは平成以降だけでもダイタクヘリオスとデュランダルが連覇、マイルG1を続けて勝っているのもノースフライト、トロットサンダー、エアジハード、モーリスといるが、安田記念を連覇しているのは、過去ヤマニンゼファーとウオッカだけ。

 この2頭は(ヤマニンゼファーは連覇後になるが)天皇賞(秋)を勝っている。出走時に天皇賞(秋)を勝っていた5頭のうち4頭が勝っている。インディチャンプが安田記念→マイルCS→安田記念という“史上初”の偉業を達成するには、1800mで3戦連対なしというマイル以上での成績がネックになるかもしれない。

 ちなみに高松宮記念、スプリンターズSの勝ち馬は17頭出走しているが、安田記念を勝ったのはタイキシャトルとロードカナロアだけだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト