国内

新宿のホストクラブ関係者に複数のコロナ感染者が出た背景

「東京アラート」が初めて発動され、赤くライトアップされた東京都庁(時事通信フォト)

「東京アラート」が初めて発動され、赤くライトアップされた東京都庁(時事通信フォト)

 夜になると赤くライトアップされ東京アラートを示し、緊張感を増す東京都庁舎から新宿駅を挟んで徒歩で約10分、約3000軒ものバーやキャバレーなどが並ぶ新宿区歌舞伎町は世界でも有数の夜の歓楽街だ。眠らない街と呼ばれた歌舞伎町が、新型コロナウイルスの流行によって静まりかえっていたように見えていたのだが、新規のコロナ感染者に歌舞伎町のナイトワーク従事者が複数、含まれていることが判明した。ライターの宮添優氏が、なぜホストクラブは水面下で営業を続けていたのか、ホストたちはなぜ働き続けているのかについてレポートする。

 * * *
 緊急事態宣言が解かれたものの、福岡県北九州市や東京都で、減少傾向にあった新型コロナウイルス感染者の数が増え始めた。これを、必ず来ると言われてきた「第二波」と指摘する声もあるが、特に目立つのは「クラスター」といわれる集団感染だ。韓国でも同様に、第一波が落ち着いた直後に、ナイトクラブでクラスターが発生。クラブが原因の感染者が100名を超えているとみられているものの、ナイトクラブを訪れた人々が嘘の個人情報をクラブ側に伝えていたこともあり、感染者の追跡に難航した。

 今、日本でも同様のことが発生しているのではないか。強い危機感を抱くのは、新宿歌舞伎町の飲食店経営・野田恵子さん(仮名・40代)だ。

「東京都での新規感染者の多くが、新宿の繁華街に関係しているとの報道がありましたよね。実は、5月のゴールデンウィーク明けから、歌舞伎町にあるほとんどのホストクラブは営業を再開したんです。ただ、表向きはやっていない、ということになっていました。ホストの子たちが、仕事前にうちの店にやってくるのですぐにわかったんです。ホストだとわかると、警察やマスコミに追われるから大変、などとも話していました」(野田さん)

 自粛要請が出されてもなかなか応じずに営業を継続した事業者といえば、パッと思い浮かぶのはパチンコ店だ。筆者も関係者に取材をしたが、彼らが主張するのは、休業補償金をいくらかもらったところでどうにもならない、という商売スキームについてだった。つまり、都内であれば休業要請に応じれば100万円を超える金が給付されるが、パチンコ店は月に数千万円以上の経費を使って、人件費や機材のリース費用などを捻出できる額の収益を得るため、1日休めば数百万単位でのマイナスが出て、とにかく開けて金を稼ぎ続けるしか無いという現実である。「夜の街」にも同様のことが言える、と指摘するのは、都内のキャバクラ店経営者である。

「我々の商売も、月に数百万するようなハコ(場所)を借りてやるわけですから、休めばハコ代が、そして人件費も捻出できない。4月頃は同業者もこっそりやっていたんですが、銀座や六本木の店でクラスターが発生したということで、さすがに休業したんです。開けていても、お客さんは怖がってこないし、そもそも女の子のキャストも集まらない」(都内のキャバクラ店経営者)

 その一方で、東京アラートが出された今でこそ小池百合子・東京都知事から名指しされているが、それまでほとんど語られてこなかったのが「ホストクラブ」だったという。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン