全国各地の小中高校で授業が再開されている。コロナ対策を講じながらとはいえ、保護者や関係者の不安は尽きない。そんな教育現場にはもう一つ見過ごせない大きな懸念材料がある。教職員によるわいせつ行為だ。2018年度は全国で282人の公立学校教職員がわいせつ行為等で懲戒処分(訓告等を含む)を受けている。今年に入ってからも処分が次々と明らかになっている。一体どうなっているのか。ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。
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5月27日に開かれた第2回千葉県教育委員会会議で「令和元年度セクシュアル・ハラスメント及び体罰に関する実態調査」の結果が報告された。調査はアンケートで、実施期間は令和元年12月2日から令和2年1月31日まで。回答者数は児童・生徒45万9478人、教職員1万1596人。
セクハラと感じたとの回答はあわせて588人で、前年度より164人増加した。高校生209人(うち男子47人)、中学生276人(同103人)、小学生96人(同42人)だった。
セクハラと感じて不快だったと回答した項目で多いのは、「性的な話・冗談等を言われた」「必要以上に身体を触られた」といったもの。具体的な回答では「身体をなでるように見られる」「部活動の大会で男性顧問が女子更衣室に入ってきた」「先生方からのボディタッチが多い」などが寄せられた。
教職員は91人(同18人)がセクハラと感じて不快だったと回答。「容姿・年齢・結婚等を話題にされた」「性的な話・冗談等を言われたりメール等を送られた」が目立つ。教育現場でのセクハラの一端が浮かび上がった形だ。
東京都の事情はどうか。都教育庁は3月になってから「教職員の服務事故について」という発表を3回行った。服務事故とは体罰、わいせつ、公金横領などの不祥事で、教育庁の発表リリースには、処分者の身分、処分内容、処分理由が記載されている。
3月分は3日、13日、27日に発表があり、全部で22件の処分が明らかにされたが、このうちわいせつ・セクハラ行為とみられるものが6件、ストーカー行為が1件、盗撮が1件、SNSによる脅迫行為が1件ある。