ライフ

ビタミンDがコロナ重症化を防ぐとの研究、豊富に含む食品は

家にこもりがちな今こそ日光浴が大事(写真/GettyImages)

 新型コロナ感染症が世界を覆っている。その恐ろしさは致死率の高さでもある。イタリアは14.1%、ドイツは4.5%──近隣国なのに、なぜこれほど新型コロナによる致死率(死亡者数/感染者数)が違うのか。ヨーロッパでは感染症対策の糸口を探るため、その原因を探る研究が加速している。

 5月6日、ドイツの科学系学術サイト「シュプリンガー・ネイチャー」に1つの論文が発表されると、感染予防の手がかりになると注目を集めている。

《新型コロナウイルス感染症の感染と死亡を防ぐビタミンDの働きについて》

 イギリスの研究者らが欧州20か国を調査したところ、ビタミンDの血中濃度が低い国ほど、新型コロナの感染率、死亡率ともに高いことが明らかになったという。たとえば被害が大きいスペイン、イタリア、 スイスの高齢者は、血中のビタミンDが少ない傾向にあるというのだ。

 そもそもビタミンDにはどういう効能があるのか。井尻整形外科院長の井尻慎一郎さんが解説する。

「よく知られているのは、骨粗しょう症対策に有効だということです。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることでカルシウムの吸収率が上がり、骨を強くします」

 さらに近年、「ビタミンDには免疫機能を高める働きがある」という研究結果が相次いで報告されているという。

「体内に侵入したウイルスや細菌などの異物に対して、それを排除しようとする免疫機能を必要なだけ働かせ、過剰な免疫反応を抑制すると考えられています。かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与することがわかってきました。最近は、がんや高血圧、糖尿病などさまざまな生活習慣病を予防する可能性も指摘されています」(井尻さん)

 まだはっきりとした因果関係は不明だが、そうしたビタミンDの働きが、新型コロナの感染や重症化を防いでいる可能性が考えられる。

◆日焼けが嫌なら室内日光浴でもOK

 ビタミンDは、日本人の約8割で不足しているとされる栄養素だ。井尻さんは「日光に当たることが大事」だとアドバイスする。

「肌に紫外線を当てると皮下にあるコレステロールに化学反応が起こり、体内でビタミンDが作られます。ビタミンDを不足させないためには、1日に15~20分程度、外でウオーキングをしてほしい。手や脚は日焼け止めを塗らず、素肌のままにしましょう。どうしても日焼けが嫌なら、手のひらだけでもかざすと効果があります」(井尻さん)

 いまは新型コロナの感染リスクがあり積極的に外出するわけにもいかない。また、老人ホームや病院など施設内での生活はどうしても室内にこもりがちになり、ビタミンD不足に陥ってしまう。高齢者は特に注意が必要だ。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン