月曜日の朝8時頃、「パンッ」という乾いた音が、東京・八王子の住宅街の一角に静かに響いた。十数分後、けたたましいサイレンとともに救急車や警察車両が現場に到着し、週の始めの早朝の住宅街は、またたく間に物々しい雰囲気に包まれた。
「一軒家の2階の自室で、頭から血を流す高校1年生のTさん(15才)が発見されました。事件性はなし。警察はすぐに自殺と判断しました。自ら左のこめかみに拳銃の銃口をあて、引き金を引いたようです。銃弾はTさんの頭部を左から右に貫いていました」(全国紙社会部記者)
Tさんは母親と姉との3人暮らし。外務省に勤める公務員だったという父親は2年ほど前に病気で他界したという。
「Tくんは中学生の頃から引きこもりがちで、この春に進学した私立高校も、週に3日だけ登校すればいいという通信制コースでした。お母さんが熱心に勉強や生活をサポートしていましたが、Tくんが5月に腹痛を訴えて病院に行くと、難病の『潰瘍性大腸炎』だと診断された。悩んでいたのかもしれませんね」(Tさんを知る関係者)
何より世間を驚かせたのが、普通の高校生だったTさんが拳銃を所有していたということだろう。
「倒れていたTさんのすぐ脇に落ちていたのは、回転式拳銃一丁。いわゆるリボルバーです。アメリカの銃器大手『スミス&ウェッソン』社製で、銃身が銀色のタイプ。弾倉には数発が装填されたまま残っていました」(捜査関係者)