感染リスクに怯えながら電車に揺られ、密集するスーパーで買い物──ここ最近、そんな「3密」な都会暮らしを避け、地方暮らしを希望する人が増えてきているという。そんな憧れの生活を、薬師丸ひろ子(56才)はすでに送っていた。トップ女優の意外な素顔。
東京から車で2時間。落葉広葉樹に囲まれたその土地は、一年を通じて豊かな四季を感じられる。
6月上旬、都内が30℃を超える真夏日でも、その地の最高気温は20℃ちょっと。新緑が目に眩しい昼下がり、色とりどりの別荘が点在する林間の小道を、向こうから男女ふたりが、ほどよい距離で並んで歩いてきた。
その女性は、現在放送中のNHK連続テレビ小説『エール』で、ヒロイン・音(二階堂ふみ)の母親・関内光子を好演する薬師丸ひろ子(56才)だった。
「薬師丸さんは2013年に大ヒットした『あまちゃん』に次ぐ2度目の朝ドラ出演を楽しんでいるようです。歌手になるという夢を持つヒロインが熱唱するシーンの収録では、『歌声を聴いていて、私も歌いたくなっちゃったわ』とおどけていましたよ」(ドラマ関係者)
薬師丸は過去にインタビューでこう語ったことがある。
「私は実生活で母親になった経験がありませんから、固定観念がないぶん、母親役を自由に演じられるんです」
『エール』では、子供がまだ幼いときに事故で夫を亡くし、女手ひとつで3人娘を育てる、強くて優しいシングルマザーの役どころだ。
時に「女が男に黙って従う時代じゃないで!」と男性にタンカを切る強い女性。時に「お父さんは、目には見えないけれど、ずっとあなたたちのそばにいる」と涙ながらに娘を励ます母親。家業の馬具製造を苦労しながら切り盛りし、娘の成長にも真っ直ぐ向き合う光子の姿に、「朝から泣けてしょうがない」(50代主婦)という声も少なくない。
柔和な表情の中にも強い芯を感じさせる女優・薬師丸のハマり役なのだろう。
◆自宅には昼夜問わずファンが殺到した
ドラマではリアルな演技を見せる薬師丸だが、プライベートをあまり表に出さない女優としても知られている。
1964年に東京・港区で2人姉妹の次女として生まれた薬師丸は、14才にして映画『野性の証明』でスクリーン・デビュー。1981年には代表作となる名作『セーラー服と機関銃』のヒロインを務め、主題曲で歌手デビューを果たすと、その曲は160万枚を超えるメガヒットを記録した。