計8回、総時間460分──。新型コロナに関して安倍晋三首相は国民に向けて会見を開いたが、振り返れば「虚言」「詭弁」「責任逃れ」ばかり。その初期段階の対応・発言を検証する。
安倍首相が最初の記者会見を開いたのは2月29日。日本で1例目の感染者が出てから1か月以上が経ち、クルーズ船での感染拡大が世界の注目を集めていた。
対応の遅れを批判されていた首相は、突然の全国一斉休校とスポーツやコンサートなど大規模イベントの自粛を要請して国民が大混乱する中、会見に臨んだ。
「これから1~2週間が、急速な拡大に進むか、終息できるかの瀬戸際だ」
“瀬戸際対応”の始まりだった。一斉休校には文科省が反対し、政権内には慎重論が強かったが、首相は独断で決定。説明不足という批判に、「専門家の判断」と反論した。
「専門家の皆様も、あと1~2週間という判断をされた。いわば、判断に時間をかけている暇はなかったわけでございます。十分な説明がなかった。与党も含めてですね、それは確かにそのとおりなのでありますが、しかし、それは責任ある立場として判断をしなければならなかった」
ところが、休校は感染症の専門家からの提案ではなかったことが後に発覚し、国会でこう認めた。