中国のサッカー界で活躍し、1992年から2004年まで13年間連続、中国代表に選ばれ、通算115試合41得点と中国のサッカー選手としては歴代最多得点選手であるカク海東夫妻が天安門事件31周年の6月4日、インターネット上で、「新中国連邦」の成立を宣言し、「中国共産党を滅ぼそう」と呼びかけた。
これに対して、中国当局はただちに約数百万人のフォロワーを持つカク氏のSNS「微博(ウェイボー)」アカウントを閉鎖したほか、ネット上のカク氏に関する記事もすべて消去するなど徹底的な情報統制策をとっている。中国外務省スポークマンも「コメントする価値もない」などと無視する姿勢を示しているが、中国サッカー界のスーパースターだったカク氏の影響力は依然大きいとみられるだけに、中国のスポーツ界に衝撃が走っている。
カク氏と妻の葉ショウ頴(よう・しょうえい)氏はネット上で「中国共産党の殲滅は正義のためである。中国共産党は、コミンテルンの資金支援を受けて中国で合法的な政府を転覆させたテロ組織だ。中国共産党による全体主義的な統治が人類に対する恐ろしい虐殺を引き起こしている」と強く非難した。
葉氏はバドミントンの元中国代表としてシドニー五輪では銅メダリストを獲得しており、夫婦そろって中国のスポーツ界を代表する人物といえる。
成功を収めた中国のスポーツ選手が公の場で中国共産党を公然と批判したうえで、共産党の打倒にも言及したのは初めてだ。