新型コロナに関して安倍晋三首相は計8回、総時間460分、国民に向けて会見を開いたが、振り返れば「虚言」「詭弁」「責任逃れ」ばかり。それを検証する。
事態が緊迫する中、3月28日、3回目の首相会見が行なわれた。東京の累計感染者数は3000人に迫り、小池百合子都知事は「オーバーシュートの危険が高まっている」と夜間・休日の外出自粛要請に踏み切っていた。東京五輪の延期も決まった。
「ひとたび爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算するとわずか2週間で感染者が今の30倍以上に跳ね上がる。そうなれば(中略)我々の戦略が一気に崩れる」
首相は危機感を露わにした。急務なのは経済対策だった。
景気は大きく冷え込み、休業や失業がどんどん増えていた。官邸では自営業者から大企業経営者まで各分野の代表者を呼んで経済への影響に関する集中ヒアリングを終えたばかり。
「昨日まで7回にわたり、現場の声、地域の声を直接、伺ってまいりました。活動の自粛などに伴って、日本経済全体にわたって極めて甚大な影響が生じています。来月のバス予約は前年比で9割減、航空業界もすでに年間の営業利益が全て吹っ飛ぶぐらいの減収となっています。宿泊や飲食といった業界でも売り上げが8割、9割減ったところも多い。音楽業界ではイベントが中止となり、売り上げゼロどころかマイナスだという話もありました」
自粛要請で経済の悲惨な実情を知らされた首相が、どんな対策を打ち出すかが注目された。ところが、次の言葉に国民はのけぞった。