愛知県の大村秀章知事が新型コロナの感染拡大をめぐり、「東京、大阪は医療崩壊に陥った」と発言したことから、吉村洋文・大阪府知事とのバトルに発展した問題。2大都市のトップ同士がいがみあう前代未聞の騒動だったが、そもそも大阪人と名古屋人の“いがみ合い”は今に始まったことではない。
実際に名古屋人に聞くと、大阪を“下”に見る声が多く聞こえてきた。例えば大阪の代名詞でもある「お笑い」について。
「大阪の芸人はどこに行ってもコテコテの関西弁で話すもんだで、あれはいかんわ。名古屋出身の三遊亭圓丈師匠なんかは、名古屋で落語をする時は名古屋弁だが、東京では江戸弁でやる。大阪のお笑いは図々しいでいかんわ」(60代男性)
食文化も同様だ。ひつまぶしや味噌煮込みうどんに代表される「なごやめし」はまだ歴史が浅いが、「その分、勢いが大阪とは違う」と名古屋市在住の50代飲食店店主は話す。
『コメダ珈琲』を展開するコメダHD、『世界の山ちゃん』を展開するエスワイフード、『和食麺処サガミ』のサガミHDなど、近年は名古屋に本社を置く外食チェーンの躍進がめざましく、これらの企業を中心にした中部の外食主要10社の売り上げは過去5年、右肩上がりで成長を続けている。名古屋市出身のお天気キャスター・森田正光氏が語る。
「全体的に薄口のものが多い大阪に比べて、名古屋はみそカツや極太パスタなど派手で食べ応えのある食べ物が多い。両都市にうどん文化がありますが、名古屋の味噌煮込みうどんには敵わないと思っています。名古屋は基本的に濃く、大きく、派手であることが美徳とされているので、味がしっかりしている」