コロナによる“軟禁状態”の影響もあってか、「連続脱走」「校内不審火」「自殺未遂」「賭けトランプ」「賭け麻雀」などの問題発生も報じられた防衛大学校(神奈川県横須賀市)は、学校教育法に基づく「大学」ではない。防衛省の施設等機関である「大学校」だ。ただし、大学評価・学位授与機構の認可を受けており、いわゆる「4年制大学」と同様に卒業後は学位が授与される。
将来の幹部自衛官の養成を目的とし、学生は特別職国家公務員の「自衛隊員」となる。授業料は免除、衣食住は国費で賄われ、さらに「学生手当」として月額約11万円が支払われる。陸海空の幕僚長など自衛隊幹部には防衛大OBが名を連ね、いわゆる“士官学校”の位置づけだ。
入試は「採用試験」となり、21歳未満(自衛官が受験する場合は23歳未満)などが条件だ。今年の受験要項によれば募集人員は約480人。そのうち女子の募集が約60人となっている。
「人文系も理工系も偏差値は60以上とされ、一般入試の倍率はおよそ10倍です。
入学後は全寮制で、コロナがない通常時は朝6時にラッパの音とともに起床し、5分後には外で日朝点呼して乾布摩擦。授業がある教場には整列の上、行進して向かいます。また、授業とは別に訓練課程がある。1年生で東京湾内約8kmの遠泳訓練、複数人の手漕ぎで進む小型船『カッター』を操縦する訓練などがあり、気力、体力の向上も求められる」(防衛大関係者)