「脳卒中」は、脳の血管が詰まったり切れたりなどして発症する。血液が流れないと、障害が起きた先の神経細胞が死んでしまうため、体に麻痺が発生するのだ。
手足がしびれる、ろれつが回らない、めまいがする…そんな症状が、ある日突然起こるのが脳卒中。基本的に激しい痛みなどがないため、そのままにしてしまいがちだが、この段階ですぐに病院へ行かないと、命を落とす危険性がある。また、助かっても障害が残る可能性が高い恐ろしい病気である。脳卒中にはいくつかの種類があるが、もっとも罹患者数の多い「脳梗塞」は、6~8月に発症件数が増える。新型コロナウイルスの感染も怖いが、いまの時期は脳卒中にも用心しないとならないのだ。
脳卒中の男女比は男性約50.8%、女性約49.2%となっている(※一般社団法人 日本生活習慣病予防協会『脳梗塞の調査・統計』より)。もし家族が脳卒中の発作を起こしたら、どう対応すべきか──。
脳卒中の発作が起きたら、1秒でも早く、脳卒中の患者を受け入れている専門病院に連れて行く必要がある。
家族が発作を起こしたと思ったら、呼びかけて意識があるかどうかを確認しよう。聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センター副院長・脳卒中センター長の植田敏浩さんはこう話す。
「体を動かすのは問題ないので、意識があるなら横になれる場所に連れて行き、本人が楽だという姿勢にさせてから救急車を呼びましょう」
意識がないときや動けない場合は、すぐに救急車を呼ぼう。呼吸が苦しそうなら、呼吸がしやすい側臥位(横向けに寝かせる)にする。
聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センター副院長・脳卒中センター長の植田敏浩さんはこう話す。救急車が来たら、あとは隊員の判断を仰ぐのが最善だ。