東山紀之(53才)主演の人気時代劇シリーズ最新作『必殺仕事人2020』が6月28日に放送される。毎回、話題を呼ぶのが大物俳優が演じる悪役だ。今回は、市村正親(71才)が事件のカギとなる悪役を務める。『必殺仕事人』の悪役につい時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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毎回タイトルに放送年が記され、年に一度の祭りのような番組になった『必殺仕事人』。今年も「2020」版が登場する。今回は、子を装って親を騙す「親だまし」詐欺が江戸の町で頻発。金ずくで悪を葬る仕事人のひとり渡辺小五郎(東山紀之)が同心として働く奉行所にやり手の新奉行(市村正親)が赴任したが、被害はおさまらない。そこにはやくざ者とは違う「グレ者」がからんでいるらしい。おなじみの仕事人仲間、経師屋の涼次(松岡昌宏)、リュウ(知念侑李)、花御殿のお菊(和久井映見)もそれぞれ事件に関りを持つことになっていく。
市村の奉行は、悪の撲滅を宣言する一方で裏の顔があり、公式HPの本人のコメントによると「とことん悪に」なっているという。その悪っぷりは今年の見せ場になるはずだ。なにしろ2007年に東山らが主演で復活した『必殺仕事人』シリーズは、毎回、大物俳優がめったに見せない「悪役」になるのも恒例なのだ。
2012年『桃太郎侍』で悪を成敗してきた高橋英樹、2013年『水戸黄門』の里見浩太朗をはじめ、竹中直人、奥田瑛二、昨年はついに西田敏行が登場。商才のある若者を食い物にする大商人に。うわー、悪いわー。映画『アウトレイジ』シリーズでは堂々のやくざっぷりを見せていたが、「必殺」で改めて悪人演技にびっくりしたものだった。
大物悪役の起用には、いろいろな意味がある。まず、第一にはシリーズが仕事人たちの前に立ちはだかる悪がでかくないと、話が盛り上がらないということ。仕事人たちのキャラクターは変化しないが、悪は毎回個性豊か。物語に変化と山場を作るのは悪人なのだ。また、大物登場で話題にもなり、ジャニーズファンはもとより、大物が出演した時代劇を長年観てきた中高年層にもアピールできる。俳優陣も一話限りの敵役には、衣装や道具などにも凝って自由に役作りができる面白さがあるという。