「さよなら安倍総理」の動きは、これまで政権を支持してきた財界にも広がりつつある。
「100年に1度の国難といわれる中で、世界最大の対策で日本経済を守り抜く」
6月12日、第一次と第二次を合わせて200兆円に及ぶ補正予算を成立させた安倍晋三・首相は、そう大見得を切った。
だが、日本経済はすでに大惨事に陥っている。5月18日に発表されたGDP(国内総生産)の速報値によると、今年1~3月期は前期比マイナス3.4%(年率換算、以下同)。さらに日本経済研究センターの経済見通しによると、4~6月期はマイナス21.33%にまで落ち込むと予測されている。リーマンショック後の2009年1~3月期がマイナス17.8%なので、コロナショックはそれをはるかに上回るのだ。
感染症の流行という“天災”だから仕方ない──と考えるのは誤りだ。
「日本経済がここまで落ち込んだのは、コロナショック以前の安倍政権の失政が原因です」
そう訴えるのは安倍首相のもとで2012~2018年に内閣官房参与を務め、政権の経済ブレーンの一人だった藤井聡・京都大学大学院教授(公共政策論)だ。