1980年代、2つの芸能事務所による快進撃がはじまった。グラビアでタレントの知名度を上げる手法を確立し、多くのグラビアスターを輩出した芸能事務所・イエローキャブとアーティストハウスピラミッド。そのトップであった野田義治氏(74)と森山幸男氏(69)の2人の“ライバル”が初めてメディアで語り合った。ノンフィクション作家・本橋信宏氏による司会のもと、グラビア全盛期に繰り広げられた熱き戦いが甦る。
──雑誌のグラビアに巨乳を溢れさせた最大の功労者として、今回奇跡の初対談になりました。特に森山社長が誌面に登場するのは極めて稀なことです。
森山:そうなんだよ。あまりメディアに顔出さないからね。2002年に雑誌のインタビューに一度出ただけだから。
野田:対談の話があった時、相手が森山社長ならいいとオレから言ったの。
森山:嬉しいね。オレと野田さんの40年近い長い付き合いのなかで、野田さんがイエローキャブから堀江しのぶを出して、かとうれいこ、雛形あきこを出した時に、オレは鈴木紗理奈を出したんだけど、野田さんが誰か売り出した時にオレも常に誰かを出してきたんですよ。ところが、ある時期に野田さんが3人同時に売り出した。それでオレ、電話したことあるんだよね。覚えてないかな?
野田:それは覚えてるけど。
森山:「オレ、野田さんの背中も見えねえよ……」って。オレは相当がんばんないと野田さんの背中が見える所まで行けねえと思ったんだ。行けねえだろうなとは思ったけど、まあがんばりゃなんとか追いつくもんだね。
野田:追いつくよ。うちがかとうれいこ、細川ふみえを出した後、小池栄子・サトエリ(佐藤江梨子)・MEGUMIを売り出した頃ね。