2008年6月の改正道交法の施行から早12年。自転車は軽車両である、という意識はどこまで浸透しているのか、疑問を感じることもしばしばだ。そこで、毎日の自転車による通勤・通学・送り迎えなどで陥りがちな違反や、「こういう場合ってどうなの?」と、迷いがちな疑問を厳選。Q&A方式で紹介する。
Q. 久しぶりに乗る自転車は、どこをどう点検したらいい?
A. 最も重要なのがブレーキの効き。キーキーと音がしたり、効きが悪くなったら即、自転車店へGO!
新型コロナウイルス感染拡大防止には3密回避が重要だが、通勤電車の混雑ぶりに自転車通勤を検討中の人も多い。自転車活用推進研究会理事長の小林成基さんはこう話す。
「長い間乗っていなかった自転車は、事前の整備が不可欠です。整備不良には、前照灯や後部反射器の不備や故障もありますが、なかでも重要なのがブレーキの効きです」
ブレーキは、時速10km走行時に制動し、3m以内で停止できる性能が必要。自分で修理できないなら、自転車店に頼もう。
Q. 自転車に乗る際、ヘルメットは必ずかぶらなくちゃダメ?
A. 13才未満の子供は自転車用ヘルメットの着用は必須! 頭部を守れば生存率も高くなる。
全日本交通安全協会・参与の長嶋良さんが警告する。
「自転車乗車中に亡くなった人の死因の6割は、頭部の致命的な損傷による。ヘルメットを着用する人に比べ、着用しない人の致死率は約2.4倍も高いのです」
道交法第63条の11では、13才未満の子供が自転車に乗る際は、ヘルメットの着用努力義務があると定められており、これは、大人が運転する自転車に、子供を乗せる場合にも適用される。義務はなくとも死なないために、大人もヘルメットをかぶるべきだ。
Q. 自転車は歩道を走っちゃだめ? すれ違う際はどっちから?
A. 原則は車道の左側を走行する。歩道は緊急避難的に“通らせていただく”場所で、すれ違う際は左側通行を。
世界広しといえども、自転車が歩道を通行できるのは実は日本だけ。