安倍晋三・首相が“得意分野”として誇ってきた「外交」で、行き詰まりが明らかになってきた。致命傷となりそうなのが、11月の米大統領選である。
「4年前、トランプ氏の大統領就任前に安倍首相はわざわざトランプタワーに“ご挨拶”に行った。その後も一緒に何度もゴルフをするなど、蜜月関係をアピールしてきた。トランプ大統領は安倍首相にとって、これ以上ないリーダーで、外交面で唯一の頼みの綱とも言える」(元駐レバノン特命全権大使で作家の天木直人氏)
安倍首相はトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦するなど、“忠実なポチ”となり、国内向けには「強固な日米同盟」と喧伝してきたわけだ。
だが、現在の情勢はトランプ大統領にとって極めて厳しい。米国内の世論調査によれば、5月28日~6月9日の支持率は、民主党のバイデン候補の49.8%に対し、トランプ大統領は41.7%と水をあけられている。ニューヨーク在住のジャーナリスト・佐藤則男氏はこう分析する。
「バイデン氏が支持されているというよりも、トランプ大統領が“支持されていない”のが現状です。すでに2人は相手を皮肉と中傷を交えた非建設的でネガティブな舌戦を展開している。今後は、より醜い泥仕合の選挙戦が展開されるでしょう。
黒人差別問題でトランプ大統領はあえてコメントしないでいるが、この先対応を間違えれば、形勢は悪くなる」