誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、「投票照会サービス」でわかった新事実についてお届けする。
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ネットで競馬を楽しむようになり、自然の流れで「Club JRA-NET」に加入してみた。無料だし手続きも容易である。
JRAに関するその週のトピックスなどを報せてくれるわけだが、最大の利点は「投票照会サービス」。ネットで購入した自分の馬券履歴を俯瞰することができるのだった。
競馬場で馬券を買っていたときには、メモでもしない限り投票の履歴など忘却の彼方である。敗けた悔しさと騎手への呪詛、勝った歓喜に騎手への感謝。それのみが印象に刻まれる。記憶はいい加減なものだが、ネット上では正確に残っている。後ろを振り返っても詮ないものの、これが面白いのである。
まず「投票内容照会」。過去60日の投票内容を確認できる。どのレースの何番、どんな馬券でいくら賭けたのかが分かる。さらに「投票成績照会」では、「開催別成績一覧」「競馬場別成績一覧」「騎手別成績一覧」「払戻金別成績一覧」に分類。
中でも目を引くのが「騎手別成績一覧」だ。購入額と払戻額、そして回収率と的中率が一目瞭然。回収率と的中率は棒グラフで示され、回収率100%を越えると赤色グラフとなる(それ以下は緑色)。なんだか模試の結果を突き付けられたような受験生の気分になってくる。