新型コロナウイルスの感染拡大以降、日本では「中国依存の見直し」を求める声が高まっている。だが、それは果たして実態をどこまで理解した上での意見だろうか。
中国リスクといかに向き合うかという難題に最も直面しているのが、私たちが日々口にする食品である。あなたと家族の命と健康を守るために、まずこの現実を知らなければならない。
日本で新型コロナの感染が拡大して以降、経済活動が縮小するなかでも、中国産食品をめぐるトラブル事例が相次いでいた。
厚労省が公開する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」によると、今年1月1日~6月18日までに42件の中国産食品(食器などの器具を除く)が食品衛生法に違反していた(リスト参照)。
違反事例42件のうち最多の10件を占めるのは、ピーナッツや花椒(香辛料)などから検出された「アフラトキシン」だ。食環境衛生研究所マーケティング部の丸橋大志氏が指摘する。
「アフラトキシンはカビが生成する化学物質で、人に対しては、急性肝臓障害や発がん性が指摘されます。とくに発がん性は、国際がん研究機関によるリスク評価で最も危険性が高いグループに分類されます。カビ毒のためどこにでも発生して増殖する怖れがあり、調理加熱しても毒性は消えない」