新型コロナウイルス感染拡大の影響で約3か月遅れで開幕した、今年のプロ野球は、近年では珍しく、日本テレビが地上波で開幕戦から5試合連続で巨人戦を中継した。6月19日、阪神との開幕戦の視聴率は10.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。世帯視聴率。以下同)だった。デーゲームの2戦目は7.3%、3戦目は5.8%を記録した。テレビ局関係者が話す。
「ファンも待ち望んでいましたし、外出自粛ムードもあるので在宅率も高い。ここ数か月、スポーツ自体が行われていなかったですから、もう少し伸びるかと思いましたが……。巨人の開幕戦は昨年10.6%、一昨年9.2%なので、例年とあまり変わりませんでした。デーゲームの数字は最近の中では、悪くないと思います」(以下同)
続く広島戦との3連戦のうち2戦はナイター中継だったが、6月23日は8.9%、24日は7.5%と数字は伸びなかった。
「これは、日テレにとって痛い数字でした。6月の第4週(22~28日)の世帯視聴率で日テレは全日帯では1位を獲得しましたが、ゴールデン帯とプライム帯はテレビ朝日がそれぞれ11.1%、11.6%を記録し1位の座を明け渡しています。2位の日テレとの差はそれぞれ0.2%、0.8%です。つまり、巨人戦で週に2度も夜7~8時台に1桁を出してしまったことが大きな原因なのです。
この2局は熾烈な視聴率争いをしていますが、週間のゴールデン帯では日テレがだいたい勝っています。6月の月間視聴率でも、プライム帯はテレ朝が首位でしたが、ゴールデン帯は日テレがNHKと並び、11.5%でトップでした。巨人戦中継が視聴率争いの足かせになっているのは、残念ながら間違いありません」