感染症対策も周知したうえで利用してもらいたいと、営業再開に合わせてなんと無料利用のサービスもするという。
NTTコミュニケーションズと提携し、同社が提供する外出先などオフィス以外の場所でスマートにワークスペースを確保できるサービス「Dropin(ドロッピン)」の実証実験に参画。6月25日の営業再開日から大浴場とカプセルのデイユースを無料利用できるプランを打ち出したのだ。無料利用ということで様々なゲストが訪れることを想定、清潔感の確保にも注力する。
今回紹介した施設以外にも、カプセルホテルならではといった感染症対策は様々な店舗で見られる。ここまで清潔に消毒されていることは、カプセルホテル業界史上初の出来事だろう。過剰なまでの感染症対策は、その業態を鑑みればある意味当然ともいえるが、その一方で完璧な対策がないのも事実だ。
カプセルホテル業界全体の先行きについては、極めて厳しいと予測する業界関係者は多い。モノの購入とは異なり、そもそもサービス業ではペントアップ・デマンド(抑え込まれていた需要)は生じにくい。特に、ラグジュアリーな旅、デスティネーション(旅行目的地)的な宿泊施設カテゴリーでもないカプセルホテルにおいては、以前のような需要の高まりはもはや期待できない。インバウンド需要の回復も当面見込めないだろう。
コロナ禍は未知の感染症への恐怖を広げ、ソーシャルディスタンスなど新たな生活様式を植え付け、人々の心理に“囲い”を作った。そんな環境下、ドアのない鍵のかからないカプセルホテルでは、さらなる試行錯誤の日々が続く。