YouTubeで生配信され、最大130万人以上が同時に視聴していた元NEWS・手越祐也(32才)の記者会見。高い注目度となったこの会見を、放送作家の山田美保子さんが分析する。
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◆終始同じテンポ、同じトーンで話しきった手越クン
ジャニーズ事務所を退所した手越祐也クンの会見はYouTubeで見させていただきました。というのも、仕切っていたPR会社さんからは、「1社1カメ」で記者も代表者のみ。残念ながら私はその枠には入れていただけなかったからです。
でも、“リポーターさん枠”は別にあったようで、NEWSのコンサートの際、手越クンを囲んできた著名な女性リポーターさんは、ほぼ勢揃い。手越クンもきっと、うれしかったと思います。
途中、夫が「大きい画面で見れば?」とテレビで見られるようにセッティングしてくれたので、かなり助かりました。手越クンが立て板に水の如く、かなりの早口でまくしたてるので、肝心なところがなかなか理解できず、スマホを持つ手もくたびれてしまったからです。
結局、一言一句、聞き逃さなかったというには程遠い状態で、翌朝、スポーツ紙やワイドショーのフォロースーパー(字幕)を読みながら、あぁ、そういうことを言っていたのか…と、やっと理解できました。
いや、それでもわからなかった箇所もありましたし、納得がいかない箇所は本当にたくさんありました。多くの記者さんからの質問に、言いよどむことなく答えた手越クンは立派だったし、嘘はなかったと思います。ただ、冒頭と最後の方で、やや辻褄が合わなくなってしまっていたし、言葉の間違いもあった。
「医療従事者」「ボランティア」「チャリティー」という、コロナ禍で本来なら多くのかたたちに刺さるワードが連発されたのに、正直、刺さってこなかったし、逆に“ツッコミどころ”になってしまったのはなぜだったのか。
私はジャニーズのアーティストさんの中でも、NEWSは特に応援させていただいていたグループ。聞く耳のサイズを大きくして、心も広げてスタンバイしていたつもりなのですが、それでも手越クンの話の多くが入ってこなかったのです。
しゃべりの勉強をしたかたなら、その答えがすぐおわかりになったでしょう。アナウンサーの研修でも、「人によく伝わるしゃべりのコツ」として、アクセントや滑舌以外に、声の高低や間、緩急などを心がけていると思います。しかし手越クンの場合は、終始同じテンポで、ほぼ同じトーンで話しきった。
それでも、声を枯らすこともなく、水分補給することもなく、115分も、ほぼひとりでしゃべり続けたことには敬意を払いたいと思います。すごいです。でも前述のテクニックは皆無だったため、私のように頭の回転が衰えてきた年代には特に入ってこなかったのでした。
過去、芸能界では手越クンのようなしゃべりをするかたがいらっしゃいました。私がまず思い浮かべてしまったのは羽賀研二さんです。まだワイドショーに活気があった頃で、当時の恋人との件で、羽賀さんは何度も何度もリポーターさんや記者さんから囲まれたものです。
そのたびに、ペラペラペラペラと、本当によくお話になった羽賀さん。逃げずに対応する“お人柄”は、マスコミから愛されましたし、「これもまたひとつの才能だ」なんて言われたものです。「誠意」というワードを連発した後には、「誠意大将軍」なる鉢巻をしてCMにも出演されました。
思えば、理論武装というほど理論はなかったものですが、そうした“才能”は、良くも悪くもビジネスの場で開花。特に宝石や和服の「お見立てゲスト」として、羽賀さんは最適なかたでした。それが高じて、ジュエリーデザイナーにもなられるワケです。羽賀さんが後ろにまわってネックレスやペンダントを留めてくれたり、前で跪くかのように手をとって指輪やブレスレットを着けてくれて、「とてもお似合いですよ」なんて言われたら、私もたぶん買っちゃいましたね(笑い)。ここで手越クンの名前を出すのもどうかと思いますが、一部で報道されていた「女性向け商品の開発」や「販売」は、必ずや成功すると思います。