訪問客のいない高輪皇族邸(仙洞仮御所、東京・港区)は、ひっそりと静まり返っているという。
上皇上皇后両陛下が皇居の御所(東京・千代田区)を退去され、高輪に引っ越されたのは今年3月末のこと。それから約3か月間、両陛下は静かな「おこもり生活」を続けられている。
「6月18日に天皇陛下の相談役を務める『宮内庁参与』が交代。新旧の参与7人は天皇陛下に交代を報告した後、上皇上皇后両陛下への挨拶のため、高輪を訪れたそうです。この3か月間で、高輪で両陛下が面会された客人は、その7人だけだといいます。普段、接触があるのは、身の回りのお世話をする『上皇職』のみ。その上皇職も、両陛下への感染を防ぐため、出勤人数を半分に減らし、接触を極力さけているそうです」(宮内庁関係者)
新型コロナは高齢者の重症化リスクが高い。ご高齢である両陛下は、窮屈な思いをされているだろう。
「両陛下ご自身が“自分たちが感染したら周囲に与える影響が大きい。『うつしたのは誰か』と責められるのもしのびない”と考えられ、徹底的に感染対策に取り組まれてきたそうです。特に美智子さまは“いまはとにかく耐えましょう”とお気持ちを周囲に伝えられていたそうです」(皇室ジャーナリスト)
そうして徹底した外出自粛をされている両陛下。上皇陛下(86才)は週に1度ほど、皇居内の生物学研究所へ足を運ばれているが、「接触する人数は極限まで抑えている」(前出・宮内庁関係者)という。
さらに美智子さま(85才)に至っては、いまだ皇居に足を運ばれていないという。
「お引っ越し当初は、散策のためにおふたりで皇居を頻繁に訪問されるとみられていました。6月2日には皇居東御苑の一般公開も再開しました。しかし、おふたりがお出ましになると、ひと目見ようと人が集まりかねません。そうした影響を考慮され、いまは控えられているのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
平成時代、両陛下はしばしば知人を皇居に招き、交流を楽しんでこられた。美智子さまはティータイムに歓談されることを好まれたという。しかし、引っ越し後にはそうした機会が一切失われている。
6月9日には天皇皇后両陛下、29日には秋篠宮ご夫妻が結婚記念日を迎えられた。毎年ご一家が揃って行われていたお祝いの食事会も、今年は行われなかった。
最愛の子供や孫たちと会うことができず、訪ねてくる人はごくわずか。外に出かけることもほとんどない――おふたりは住み慣れない高輪皇族邸で、“孤立された暮らし”を送られているようなのだ。