野木亜紀子氏の脚本で、今クールのドラマの中で注目を集めているのが、星野源(39才)が綾野剛(38才)とダブル主演する『MIU404』(TBS系)だ。星野といえば、野木氏の作品で『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)が代表作の1つだが、そのときとは違う新たな魅力を発揮している。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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脚本の野木亜紀子をはじめ、『アンナチュラル』の制作チームが再集結したオリジナルドラマということもあり、何かと話題の『MIU404』。このドラマの端々で私が感じるのは、「星野源カッコいい男化計画」である。
物語の舞台は、事件の初動捜査を担当する機動捜査隊(通称・機捜MIU)の働き方改革の一環で新たに設置された「第4機捜」。捜査一課の刑事だった志摩(星野源)と奥多摩の交番に勤務していた伊吹(綾野剛)はバディを組むことになる。タイトルの404は、志摩・伊吹のコールサインである。
第一話では、日中、男性が金属の看板で頭部を殴打された傷害事件現場に急行。はしゃぐ伊吹を横目に、冷静な志摩は、被害者の行動を細かく分析し、犯人が被害者のポケットからカギを持ち出したと推理する。続いて近隣のパーキングで被害者の車を発見。ドライブレコーダーが盗まれたことから、犯人に迫る。おお、すごい推理力。クール星野源、ここに推参!という感じだ。
しかも、クールなだけじゃなく、大詰めでは、捜査車両を大破させるほどのカーチェイスを展開。犯人を撃つ仕草を見せた伊吹をぶん殴る熱さも見せた。おお、ここにはアクション星野源がいましたか!
第二話では、偶然出会った夫婦を脅して車に乗り込み、逃走する殺人事件容疑者、加々見(松下洸平)を追跡。まじめに働いていたという加々見が「無実を晴らすために逃走した」と主張する伊吹に対して、志摩は「だったらどうして逃げる」とやっぱりクールな反応。奥深い事件の真相を突き止める。ナイフを向ける犯人に「そんなことのために自分の人生を棒に振ったのか」と言う志摩。おお、出ました、おとな星野源!