5月下旬から米国で拡大した抗議運動は、白人警官が黒人男性を押さえつけ死亡させる事件が発端だったが、日本では「おまわりさんの弱体化」が深刻化しているという。
「若い警官の体力不足は深刻です。職務質問中に逃げた男を20代の新人に追跡させたら、メタボ体型で全然走れず逃げられた」(50代巡査部長)
「30代前半の部下が窃盗の被疑者を確保する際に刃物で抵抗され、先輩警官を盾に顔面蒼白で逃げまわった」(40代巡査長)
背景の一つに採用基準の緩和があるという。人員確保のため全国の8割以上の警察本部で受験資格から身長・体重の規定を撤廃、年齢制限の緩和が行なわれているのだ。元兵庫県警刑事の飛松五男氏がいう。
「私の若い頃は“体を作れ”と厳しく言われたが、最近は厳しい指導がパワハラと言われかねない。チンピラに怒鳴られて竦む若い警察官もいる」
メンタル面も心許ない。
「“人見知りで職質が苦手”という新人もいる。職質時も逆切れされると“どうもすみません”と謝ってしまうのだから情けない」(40代警部補)