3月のキャッシュレス決済がペット関連で前年比12%増(三井住友カード「コロナ影響下の消費行動レポート」より)になったほか、動物保護団体への申し込みも増加中。コロナ禍でペットを飼いたい人も増えている。特に外出制限が叫ばれるなか、散歩も不要でマイペースな姿に癒されると、猫に大きな注目が集まっているのだ。ミステリアスな生態と行動で私たちをメロメロにする猫の“あるある”について、上野動物園の動物解説員などを務め『ざんねんないきもの事典』シリーズを監修した動物学者の今泉忠明さんに解説してもらった。
【Q.1】ニャ~と甘えてきたくせに、なでていると急に噛みつくのはなんで?
A. 時と場合により、気分が違うんです
「おとなしくお腹をさすられていたと思ったら、急にガブリと噛まれる。場合によっては、両手で飼い主の手を抱え込んで、後ろ足でキック攻撃を仕掛けることもあります。これは、猫の気分が家猫気分から野生気分に変わったため。猫の大きな特徴である“気まぐれ”は、この2つの気分のほか、子猫気分と親猫気分があり、これらが瞬時にコロコロと入れ替わるため。つまり、ペットらしく人懐っこくなったかと思えば、野生に戻る瞬間があり、子猫のように甘えたかと思えば、親として人間を子供扱いする。その落差がたまらない魅力ですね」(今泉さん・以下同)
【Q.2】キーボード上に寝転んだり、移動時にわざわざ踏んづけていくのはなぜ?
A. 飼い主の意識を自分に向けさせるための作戦
「パソコンに集中している飼い主の視界に入って、構ってほしいとアピールしているのでしょう。新聞を広げると乗ってくるのも同じです。また、横になってテレビを見ていると人の背中や手を踏んづけて移動するのは、“私はここにいるよ、忘れてない?”と、自己主張しているのです」