プロ野球の開幕から1か月弱が経過し、新外国人に明暗が分かれ始めている。セ・リーグ最下位に沈んでいる阪神では、“バースの再来”と期待されたボーアの打棒に開幕前から注目が集まっていた。
ボーアは開幕からスタメン4番で18打席連続ノーヒットと不調に喘いだものの、打順が降格して以降、調子を取り戻した。最近11試合連続(記録は7月12日現在。以下同)は5番を打ち、その間3割7分8厘、4本塁打、11打点と急上昇。7月5日の広島戦では勝ち越しの満塁本塁打を放った。一方、もう1人の新外国人打者サンズはスタメン10試合全て6番で、1割8分8厘と苦しんでいる。野球担当記者が話す。
「あのバースは来日1年目の1983年、故障で開幕に間に合わず、最初は代打で起用されていた。スタメンになってからも、当初は7番を打っていた。“巨人史上最強の助っ人”と言われるクロマティでさえ、開幕直後は6番を打ち、5月には7番に下がっていた。日本で2000本安打を達成したラミレス(現・DeNA監督)もヤクルトに入団した2001年は主に7番を打っていた。
日本球界に名を残す外国人選手も、必ずしも最初から順応していたわけではありません。特に巨人や阪神のような球団だと、打てなければマスコミに大きく取り上げられる。新外国人には最初から期待しすぎるのではなく、まずは気楽な下位打線で日本野球に慣れさせてから打順を上げる方が得策なのかもしれません」(以下同)
阪神でも、2010年にはマートンが1番や3番を任されてシーズン最多記録の214安打(当時)を打ったり、2014年にはゴメスが来日1年目の開幕戦から4番を打ち続け、打点王を獲得したりするケースもあった。それでも、他の年の新外国人を考えれば、稀有な例と見る方が無難だ。