スポーツ

阪神ファンの「新しい観戦様式」 つい六甲おろし歌う客も

間隔をあけて座る観客たち(時事通信フォト)

間隔をあけて座る観客たち(時事通信フォト)

 プロ野球は6月19日に無観客試合で開幕したが、7月10日からは5000人を上限とする有観客試合がスタートした。たとえば、阪神の本拠地・甲子園は本来であれば4万7500人を収容できるので、約1割しかチケットが販売されない。かつてない“狭き枠”となるので、チケットは「即完売」かと思いきや、意外とそうでもないという。

「年間予約席契約者および公式ファンクラブ会員への先行発売の後、7月7日から一般ファンに発売された。即完売かと思ったが、観客を入れる初戦の完売が発表されたのは前日9日になってから。プラチナチケットになると期待しとったんやけど、全然そんなことなかったですわ」

 関西のチケットショップの店長はそう話した。球場に足を運ばず、テレビ観戦できる居酒屋で試合を楽しんでいる阪神ファンの声に耳を傾けると、“微妙な心理”が透けて見える。

「1列10席のところを5席くらい間隔を空けて座るんやろ。しかも、内外野ともガラガラやのに上段の席に座らされる。みんなと一緒に騒げないなら、球場に行く意味ないがな。せめて家族とかカップル、友達とは1席空ける程度でよかったんちゃうかな」(50代会社員)

「唾液を空からバラ撒くことになるジェット風船の禁止は理解できるが、声援もダメ、ヤジもダメ、旗も振ったらアカンいうんやろ。六甲おろしも歌ったらアカンらしいがな。球場に行く意味ある? ここ(居酒屋)なら得点が入ったらハイタッチできるし、ビール飲みながらヤジも飛ばせるさかいな」(70代自営業)

 ジェット風船、ヤジ、六甲おろしの合唱……阪神ファンの楽しみは「野球を見るだけ」にとどまらないだけに、球場観戦の楽しみが半減してしまうことを懸念するファンがいるようだ。

 ただ、阪神ファンが集まることで知られる別の居酒屋オーナーに尋ねると、「(店の常連客は)甲子園球場に行ってる人も多い」と話す。「実際に行ってみると、結構楽しいという評判が広がっているみたいですわ」と続けた。

 現場はどうなっているのか。記者も甲子園のチケットを購入して観戦してみた。日曜日(7月12日)の内野席チケットは前日でも手に入れることができた。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン