葬儀や法事でも、「密」を防ぐために、招く人を最小限にしたり、簡素化や中止を決めるケースが増えている。北陸地方に住む元教員のBさん(66)の家は、冠婚葬祭のたびに親族一同で集まる慣わしを変えた。
「4月に親戚の80代の叔父さんが亡くなったのですが、“高齢者が集まるのは危険”“家族葬でいいんじゃないか”という意見が親族から出て、本家筋の長老をはじめ、私を含む親戚のほとんどが葬儀に行かず香典を送るだけにした。
一族には年寄りが多いので、今後は法事や結婚式などもごく内輪だけでいいのではないか、という話になっている。本来は夏にも親戚の十三回忌が盛大に行なわれるはずでしたが、私は行かない予定です。
葬儀や法事に出席しないからといって、故人を偲ぶ気持ちが薄いわけではない。これまでの慣習が本当に必要なものかどうかを考えるきっかけになった」(Bさん)
※週刊ポスト2020年7月24日号