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汚染輸入食品、中国・イタリア・韓国・タイ・フィリピン産も

成田空港の検査官。以前に比べれば人員を増やしているものの、まだ充分とはいえない

 日頃、我々が口にしている輸入食品は本当に安全なのだろうか? 6月15日、厚生労働省が東京と神戸での検疫の結果、中国から輸入されたにんじんから農薬「トリアジメノール」が検出されたことが明らかになった。

 こうしたことから、特に中国食品が危険だというイメージがあるかもしれないが、危険なのはそれだけでない。実は“本場”と思われている原産国の食品も基準値違反したものがすでに流通してしまっている。

 たとえば、イタリア産のサラミソーセージ、さらにイタリア産パセリ。パッケージを手にとって「本場イタリア産なら」と、味にも品質にも信頼を寄せる人もいるだろう。しかし、事実はそうした信頼を簡単に裏切ってしまう。

 今年1月に成田空港に到着したイタリア産サラミソーセージでは、食品衛生法上の“E.coli”(イコリ)の陽性が確認された。E.coliとは聞き慣れない名称だが、簡単に言えば大腸菌だ。食環境衛生研究所マーケティング部の丸橋大志さんは、食品衛生法上のE.coliについて、こう説明する。

「E.coliは糞便系大腸菌グループの総称。あのO-157もこのグループに含まれます。下痢や激しい腹痛、血便といった症状を引き起こし、重篤化すると、溶血性尿毒症症候群などの合併症を引き起こすことがあります。大きな問題ですね」

 ほかにも、韓国産の養殖活ひらめからは基準値超えの農薬「オキシテトラサイクリン」が、フィリピン産の生鮮パパイアからは農薬「デルタメトリン」と「トラロメトリン」が基準値を超えて検出されている。残念ながら、いずれも一部が国内で流通済みだ。

 さらには、恐ろしいことに、違反事例とされながらも、一部どころか全量がすでに販売済みという例もある。

 都内の新型コロナの1日の感染者数が再び100人を超え始めた7月3日、フィリピン産のおくらについての違反の公表があった。そして同9日には、焼き肉などを包む際に使われるえごまの葉(韓国産)。成田空港から入り込んだこれらの野菜からは、“人の健康を害さない量として定められている量を超えて”特定の物質が検出された。6月にも、殺虫剤などに使われる、成分規格に適合しない化学物質が検出されたタイ産のマンゴーが、成田空港経由で日本に入り込み、しかも全量が流通してしまっている。

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