再び新型コロナウイルスの感染が拡がりつつある中、政府のGo Toキャンペーンに対し、各都道府県知事からは実施時期の見直しを求める声が相次いだ。首長の手腕によって各県の感染状況や補償内容などに大きな違いが生じるため、各知事の存在感は高まる一方だ。「第2波」への警戒が強まる中、より力量が問われる各都道府県知事の感染対策を識者が評価した。
独自のPCR検査を実施
全47知事の評価を、行政学(地方自治)の第一人者である中央大学名誉教授の佐々木信夫氏に依頼した。さらに、元厚労相で前都知事の舛添要一氏には、感染者数が多い9都道府県と、感染者数の少なさや知事の独自対策など特筆すべき点がある7県を加えた合計16自治体の首長を評価してもらった。
評価基準としたのは、「情報発信」「医療体制」「予防策」「経済・補償」の4指標だ。これらの各指標の評価を◎、〇、△、×で示した。表については、4指標の個別評価で、◎を4点、〇を3点、△を2点、×を1点とし、合計で12点以上は◎、10点以上12点未満は○、8点以上10点未満は△、8点未満は×として総合評価をつけた。
舛添氏は、PCR検査など「医療体制」の充実が最も重要だと指摘する。
「感染症対策の基本は『検査と隔離』ですが、日本ではPCR検査数が圧倒的に少ない。感染拡大初期の2月に、厚労省が『37.5度以上の発熱が4日以上続く』『強いだるさや息苦しさ』などを検査の目安としたことで、各地域で無症状の濃厚接触者にPCR検査を実施しなかったことは大きな問題でした。