国際情報

【アメリカ発】マスクで肺炎リスク増加の可能性も

アメリカでは国を二分してマスク賛成派と反対派が論争を繰り広げている(EPA=時事)

 マスクにコロナ感染を予防する一定の効果があることは、すでにWHO(世界保健機関)をはじめ、多くの専門家も認めている。しかし、「マスクをするリスク」については、あまり語られていない。米ニュースサイト「American Thinker」常連執筆者で、先端技術研究に従事するAnthony Ciani博士(哲学)は、見落とされている問題を鋭く指摘する。

 * * *
 マスクは、新型コロナウイルス感染症を広めるかもしれない無症状の人の免罪符になり、感染症を恐れる人たちにとって心理的効果をもたらすだろう。しかし、マスクをすることが悪い場合もあるのではないか。

 CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とWHOは、マスクが咳やくしゃみで排出される飛沫を遮断すると想定しており、おそらくそれは事実である。医師がマスクを着用するのは、患者の上で話す時に唾が飛ぶことで開放創に感染する可能性を減らすためであり、患者が医療提供者の数フィート以内でくしゃみや咳をした時に自分自身を守るためである。適切に装着された器具を使用すれば、特定の狭い区域での感染が75%も減少する。

 一方で、他人の顔に唾を吐いたりすることがほとんどない一般社会において、感染者であっても咳やくしゃみをしない無症状の人がマスクをつけるべきかは難しい問題だ。 2005年の研究では、肺に入ったウイルス粒子は、正常な呼吸によって空気中に吐き出されることがわかった。息を吐きながら手を口の前に持ってくると手につく水分は、顕微鏡で見るには小さすぎる超微細なエアロゾルであり、マスクでは濾過できない大きさである。1ミクロン以下のこれらの粒子は、同程度の大きさの粒子である煙や匂いのように、空気中に無限に浮遊し、その中にウイルスが含まれるのである。マスクをしていても煙の匂いはわかる。つまり、そういうことである。

 皮肉なことに、禁煙法がウイルスの蔓延を助けた可能性もある。レストラン、ホテル、バーはかつて、タバコの煙を除去するために強力な換気装置と電子空気清浄機、またはHEPAフィルターを使用していた。高機能フィルターであるHEPAは、0.3ミクロンの粒子をほぼ完全に除去する効果があるとされる。現代の飲食店やクラブでは、室内の煙を濾過する必要がないため、高機能なものより空気を効率的に循環させるフィルターを使用している。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン