芸能

三浦春馬さん 遺した日記に綴られていた、命と向き合う言葉

三浦さんが手帳に遺した言葉とは(写真/Sipa USA=時事)

 爽やかな笑顔を携えた三浦春馬さん(享年30)の印象があまりにも強すぎて、突然の死から時間が経ったいまもなお、現実として受け止められないとの声も多い――。

 俳優の三浦春馬さんが7月18日、30年の人生に突然幕を下ろした。遺された日記帳には、役者論、共演者への思い、家族のこと、そして、自らの命に向き合う言葉が、時には自分に対して問いを投げかける形で、時には創作物のような形で綴られていた。

いろいろな人格になれる

 幼い頃から芸能界で活躍していた三浦さん。影すらも消えるほどの眩しすぎる輝きに、周囲は安心して三浦さんの将来を楽しみにしていた。が、三浦さんの親族の1人は、別の角度から三浦さんを見ていた。

「春馬が高校生の頃かな、売れっ子になってきて、仕事のために学校を休むことが増えました。それで春馬に『仕事は楽しい?』って聞いたら、黙っているんです。もう一度聞いたら、黙ったまま母親の方をチラッと見るんです。春馬はいつもそうでした。意見を聞かれると必ず、母親の方をね。そして一言だけ、『いろんな人格になれるのが楽しいんだ』ってこぼしたのが印象的でね…」

 いろんな人格になれる――三浦さんは、自らの人生を生きるよりも、役を生きることに突っ走り、さまざまな居場所を探し求めた。その思いは、ストイックな役作りにも表れていた。

「昨年、ドストエフスキー原作の舞台『罪と罰』で、殺人を犯しその罪に苦しむ主役を演じたとき、役作りのため、教会に通い長時間にわたって牧師を質問攻めにしていました。

 役に合わせた肉体改造も三浦さんの特徴。『罪と罰』では7~8kgの減量をしていました。その直後にドラァグクイーンを演じた舞台『キンキーブーツ』では、筋肉をつけるために増量とトレーニングの毎日。1日6食ぐらいカレーやパスタなどを食べて、必死に理想の体形に近づこうとしていましたね。減量直後の増量は体に相当な負荷がかかるのですが、三浦さんは当たり前のようにこなしている節がありました」(舞台関係者)

 そうした仕事への真摯な姿勢は、周囲にも充分に伝わっていた。三浦さんの突然の他界に言葉を失い、ようやく絞り出した共演者や関係者は異口同音に「ストイック」「努力家」、そして「誰にでも優しい家族のような人」とその人柄を褒め称えていた。

「いま思うと、春馬くんは自分の居場所を作るのに、そして作った居場所を守るのに必死だったのかもしれません。はにかんだように笑いながら、誰とでも距離を詰める彼を『優しい人』としか捉えられなかった自分が情けないです」(三浦さんの知人)

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン