コロナ危機に国民が苦しんでいるのを尻目に、“私腹”を肥やしている政治家は国民への裏切りも甚だしい。
麻生太郎・副総理にはこれまで森友事件にからむ財務省の文書改竄問題の対応やコロナでは「民度のレベルが違う」発言など政治家としての資質が問われる言動は枚挙に暇がない。しかし、とりわけ国民にとって許しがたいのは東京の感染者数が最多記録を更新していた7月16日、都内で参加者1000人規模の盛大な麻生派資金集めパーティを開いたことだ。
政府はコロナ不況に苦しむ業界や企業などに総事業費200兆円もの経済対策を打ち出した。その巨額のバラマキ補正予算を組んだ財務大臣の麻生氏が、せっせと業界にパーティ券を売りさばいて政治資金を肥え太らせていたのである。
「庶民感覚でいえば、一番必要ないのは危機のドサクサに利権を貪る火事場泥棒のような政治家です」
そう語るのは経済ジャーナリスト・荻原博子氏。
「問題になっているGo Toキャンペーンを推進したのは観光業界のドンである二階俊博・幹事長です。この政策は感染が終息してからやるべき。ところが、感染第1波が来て、死ぬ思いをしている人、困っている人を助けるために4月に組まれた1次補正予算にはもうGo To予算が1兆7000億円も盛り込まれていた。休業補償の雇用調整助成金8000億円より多い。
“おっ、この火事場でカネが使えるぞ。だったらオレの業界にも流そう”とばかりに族議員たちが補正にねじ込んだ。そのトップが二階さんという図式です。それに比べれば電通がやった持続化給付金の中抜きなんて小悪党レベルです」(荻原氏)