英国の技術ウェブサイト「コンペリテク(Comparitech)」はこのほど、世界の都市の監視カメラ設置数ランキング20位を発表した。世界全体で最も監視カメラが多い都市は北京、2番目は上海で、それぞれ約115万台と約100万台。上位20位のうち18都市が中国だった。中国以外の都市で、ランキングに入ったのは3位のロンドンと16位のインド・ハイデラバードの2都市だけだった。
同社の調査では、監視カメラが増えても犯罪率は減らないことが分かっており、「中国政府が監視カメラを増やしているのは、国民を監視することが主な目的だ」と指摘している。
一方、監視カメラ1台当たりの市民数が最も少ないのは山西省太原市で、1台当たりでは10人で、北京の18人と比べると、ほぼ2倍となっている。次が江蘇省無錫市だった。中国では2018年には約2億5100万台の監視カメラが設置されていたが、2021年には監視カメラの総数は2倍以上の5億6700万台となる見通しだ。
中国国営の中国中央テレビ局は監視カメラの台数の増加によって、犯罪の発生率を下げることにつながると報じている。
しかし、ビデオ監視ネットワークと犯罪率の関係性について研究しているセヴェリーヌ・アルセーヌ香港中文大学助教授は香港メディアに対して、カメラの台数を増やし過ぎることについては懐疑的だ。
同氏は「ビデオ監視ネットワークがある一定の数字まで増加すると、それ以上増加しても犯罪率は減少しないことが分かっている。つまり、カメラの増加と犯罪の減少との間にはほとんど相関関係がなくなるということだ」と指摘する。