プラスチック製のレジ袋の有料化がスタートし、1か月が過ぎた。エコバッグを利用しつつ、「これがプラスチックゴミの削減に本当に役に立つのか」と疑問に思っている人は少なくないはず。元衆議院議員でタレントの杉村太蔵氏(40才)もその一人。なぜレジ袋は有料化されたのか? そんな疑問を抱いて太蔵氏が向かった先は環境省。旗振り役の小泉進次郎環境大臣(39才)を直撃した。
杉村:レジ袋は1枚3~5円ほどですが、いろんな用途に活用できますし、随分便利なものですよね。私は5円ぐらいなら払ってもいいと思っていたのですが、店で「レジ袋いりますか?」と毎回聞かれるので最近はちょっと申しわけない気持ちになってきました。見ていると、レジ袋を使う人は少し減ってきているのかなと思いますね。
小泉:それはうれしいですね。
杉村:ただ、はっきり言って、レジ袋を使わなくなるとどのくらいプラスチックゴミの削減につながるのかはピンときません。実際、どうなんでしょうか?
小泉:たいしてつながらないです。
杉村:そうなんですか?
小泉:推奨している大臣が「たいしてつながらないです」というコメントをすると、「えっ!?」と思われるかもしれませんが、レジ袋有料化の目的は量ではないんです。900万tあるプラスチックゴミのうち、レジ袋が占める割合は2、3%程度です。もともと、レジ袋を使わなくなったとしても、削減できるプラスチックゴミの量は微々たるものだということをわかった上で始まっているんです。
お菓子の“過剰包装廃止”を訴える女子高生に「感謝したい」
杉村:それなのになぜ始まったのですか?
小泉:目的が違うんです。目的は、レジ袋有料化をきっかけに、世界的な課題になっているプラスチックに問題意識を持ってもらうこと。杉村さんも「有料化して何の意味があるんだろう?」と疑問を持たれた時点でプラスチックゴミのことを考えているとも言えますよね。
杉村:なるほど。それが大事なんですね。プラスチックゴミと言えば、小泉大臣はある女子高生が「お菓子のプラスチックの過剰包装をなくしてください」という署名活動をやっていたのをご存じですか?
小泉:本当ですか?
杉村:2か月で1万8000人以上も署名が集まったんですよ。すごいと思いませんか?
小泉:それは想像以上ですね。
杉村:ただ、率直に言って、この運動をしている女子高生に対して“包装をやめたら衛生上どうなのか”といった批判もあります。
小泉:今は何をしても批判されますからね。でも、彼女はプラスチックに問題意識を持ったから行動を起こしたわけですよね。行動していない人からの批判は気にすることはないし、ぼくはその女子高生にありがとうと伝えたいです。どうしてそういう問題意識を持ったのか聞いてみたいですね。民間企業も、ぜひその声を商品開発に取り入れてほしいですね。
ただ、プラスチックをゼロにすることは難しいと思います。やはりプラスチックのおかげで衛生面が維持されているところもありますし、今のところプラスチック全てを代替素材にできないのも事実です。大事なことは、減らせる部分は徹底的に減らす。代替できるところは徹底的に代替する、ということです。だから、その女子高生が問題意識を持ったお菓子の中で、プラスチックを使わなくても大丈夫なところは何なのか、代替可能なところは何なのか。より持続可能な商品を求める次世代の声を真剣に受け止める企業があったら、結果として、将来的にはそういう企業が成長するのではないでしょうか。