日本初の「女子アナ」は、1925年にラジオ時代のNHK(東京中央放送局)に入局した翠川秋子アナだ。彼女は1年で退局したが、その後多くの女性がラジオの舞台で活躍。そして1953年、ついにテレビ放送が開始される。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が同局女子アナの歴史を語る。
「テレビ一期生として入局した後藤美代子アナは1988年まで勤め上げ、NHK初の女性管理職として後輩に大きな影響を与えた。1970年代以降に入ると、朗読の加賀美幸子、ニュースの森田美由紀、ナレーションの山根基世と呼ばれる実力派アナが次々と台頭していきます」
女子アナといえば「アイドル化」と言われるように華やかな民放アナをイメージするが、NHKも意外に早くからタレントアナを輩出していた。
「1958年入局の野際陽子さんが女優に転身して成功を収めました。ですがこれはレアケース。本格的に “アイドル”が誕生したのは1994年の久保純子アナ。紅白司会に『プロジェクトX』MCとまさにエースでした」
だが“クボジュン”にしても、過度に派手なタイプではない。NHKでは入局後、最低5年程度は地方局を回るため、東京放送局に戻れるのは「約3分の1程度」と言われている。