いま、日本だけではなく、ヨーロッパ諸国でも新型コロナウイルス第二波の到来が懸念されている。新規感染者数は8月1日、スペインで3000人を超え、フランス、ドイツ、イギリスでは1日1000人近くとなった。一日も早くコロナ対策を確立するべく、各国で研究が加速している。
そんな中、7月17日、世界的な医学論文公開サイト「medRxiv(メドアーカイブ)」に新たな研究結果が発表された。
《欧州各国の野菜摂取と新型コロナウイルス死亡率の相関関係について》
WHO傘下の世界呼吸器疾病連盟元会長で、仏モンペリエ大学医学部名誉教授のジャン・ブスケ氏らが欧州各国を対象に調査をしたところ、キャベツを食べる量が1日1g増えると死亡リスクが13.6%下がった。きゅうりを食べた場合は15.7%も低下する可能性があるという。
熱を加えず「生」で食べる方がいい
「虎の門中村康宏クリニック」院長の中村康宏さんは、「キャベツに多く含まれる『スルフォラファン』という植物由来の成分が関係している」と解説する。
「スルフォラファンは抗酸化力が高く、『酸化ストレス』という体内の炎症を抑える働きが期待できます」
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、より活性の高い「活性酸素」に変わり、さまざまな生体活動に使われる。しかし、その活性酸素が体内で過剰になると、細胞を傷つけ、老化やがん、心血管疾患や生活習慣病などの原因にもなる。それを酸化ストレスと呼ぶ。
「酸化ストレスにより、体内に侵入したウイルスなどの異物を排除する免疫力も弱まるとされます。赤ワインやチョコレートなどに含まれるポリフェノールや、キャベツやブロッコリーなどに含まれるスルフォラファンには、酸化ストレスを抑える機能があるので、適度に摂取することにより、免疫力を維持することにつながり、ウイルス感染や重症化を防ぐと考えられます」(中村さん)