オフロードSUVの可能性
さすがにパジェロが今のようなクロスカントリー4×4で再登場するようなドラマチックな展開はまったく期待できない。が、今後の商品展開には夢も希望も持てないかというと、そうとばかりも言えない。三菱自動車にとって僥倖なのは、ブランドイメージが市場のボーダーに比較的左右されない、SUVに寄っていることだ。
現行モデルでは、たとえば東南アジアで売られている「パジェロスポーツ」。ピックアップトラック「トライトン」をベースとするオフロードSUVで、頑強なフレームボディを持ち、真正パジェロほど屈強ではないものの高いオフロード性能を持っている。
もう1台、これは純粋なSUVではないが、3列シートミニバンの「エクスパンダー」のサスペンションをリフトアップし、SUV仕立てにした「エクスパンタークロス」がある。エンジンが1.5リットルというのがASEAN仕様丸出しだが、ターボエンジンに載せ換えればスタイリング自体はいかにも日本でも受け入れられそうな仕立てになっているため、期待は持てる。
中期経営計画に盛り込まれたASEAN向け車種の中で日本でも登場が期待できるのは、中型SUVの次期「アウトランダー」だ。
現行モデルの純内燃機関グレードはほとんど売れなかったため、現行モデルを継続生産し、新型への切り替えは2022年に予定されているPHEV(プラグインハイブリッド)の登場まで待つなどということになるかもしれないが、モデル末期になるにつれて熟成度を高めてきた現行モデルの仕上がり思うと次期型が楽しみなところ。