8月から放送が始まった歴史バラエティー『戦国炒飯TV』(BS11ほか)。大好評だった『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』のスタッフが再結集して制作されたものだ。コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんも当時からのファンのひとり。ペリーさんに新番組の面白さのポイントについて解説してもらった。
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『戦国炒飯TV』いよいよ放送開始! いやー、よかったよかった。放送延期となったときにはどうなることかと思っていたが、無事にスタートしたのである。思い起こせば10年前、「歴史がなんとなく、楽しく学べちゃう新感覚の歴史バラエティ」として、ウワサになっていた『戦国鍋TV』にすっかりハマった私は、番組のみならず、ライブを追いかけ、出演者インタビューなどを続けたのだ。
その内容の特長は、戦国武将がアイドルユニットを結成して音楽コーナー「ミュージックトゥナイト」で歌い踊ったり、「戦国武将がよくくるキャバクラ」で知名度の低い戦国武将が愚痴を言ったり、つけヒゲや陣羽織などを通販番組「戦国ショッピング」で紹介するなど、各コーナーがパロディでありながら、「史実からははみ出さない」ということ。
また、放送は独立U局から始まって、中部日本放送など地方広域局にもネットを拡大、若い女性を中心にファンを獲得し、CDはオリコン初登場10位、ホールイベントチケットは発売3分で完売という人気で「天下統一」は目の前と言われながら、「東京進出はなし」ときっぱり言っちゃうその姿勢。面白すぎだった。
そして当時のスタッフが集結したという新番組『戦国炒飯TV』。「鍋」とどれほど違うのかと思ってドキドキと第1回を見たが、「愛」の文字を兜につけたイメージキャラクターの「兼続くん」も、「鍋」と同じ。なんとなく前と同じじゃないのという予感が…と思ったら、主なコーナーはしれっと同じだった! さすがだ…。
しかし、出演者は一新。さっそく織田信長に仕えた森蘭丸ら小姓たちが結成したアイドルグループ「うつけ坂49」は、デビュー曲『黒い小姓』を激しく熱唱。美少年好きだった信長と「そういう関係です!」と元気よくカミングアウトした彼らが、信長様の爪をちゃんと10個揃えて捨てたなどと小姓としての気配りを歌いあげた。
そして「戦国武将がよくくるキャバクラ」には、ベテラン俳優・渡辺いっけいが登場。戦国武将の格好をしているのにキャバ嬢に「職業当ててみますね…戦国武将!」と言われ、名前を「おだ…」と言いかけると「織田信長!?」と勘違いされて、あやうくVIPルームに連れていかれそうになる。(実際は八回も自分の城を奪われ、戦国最弱武将と言われた小田氏政役)。「裕二じゃなくて、和正のおだ」こんな例えを聞けば、下手な教科書よりよっぽど記憶に残るというものだ。